しかし、1997年にファモチジン(ガスター)、シメチジン(タガメット)、ラニチジン(ザンタック)がスイッチOTCとなって以降、急激に胃がんの発生率が高まったということは報告されていません。「薬で症状をマスクしてしまうことは重篤な病気の発見を遅らせる」という危惧はあくまで取り越し苦労であったということかもしれません。そうした懸念が払拭されてきていることもあり、そろそろOTCとセルフメディケーションがもっと普及していってもいいように感じます。
もちろん、病気になる潜在リスクは誰にでもあるものです。ですから、医療が進歩してきた現代においては、やはりまずは病気の「早期発見・早期治療」を励行すべきでしょう。セルフメディケーションがしっかり機能するのは、あくまで「定期的に健診を受ける」という前提があってこそ。これを忘れてはいけません。
市販薬との正しい付き合い方