"完治”の可能性もある リンパ浮腫はむくむ前の治療が必須

弾性ストッキングでは根本的解決にならない(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 ICGリンパ管造影で、リンパ管が線状に見える「リニアパターン」、縮れた線状が見える「スプラッシュパターン」、星空のような点々が見える「スターダストパターン」に分けられる。

「2009年からの私の研究で、リニアパターンはリンパ浮腫のリスクがゼロ、スプラッシュパターンでは2年以内に3分の1が発症、スターダストパターンは2年以内に97%、5年以内では100%発症することが分かったのです」

 そこで山本医師は、リニアパターンであれば1年ごとの経過観察はするが、リンパ浮腫の治療はしない。一方、将来的に100%発症するスターダストパターンであれば、手術療法のリンパ管細静脈吻合術を速やかに受けることを勧める。問題は3分の1発症のスプラッシュパターンだが、この場合、輸出リンパ管をつなぐ手術を提案する。

「この治療で、現段階で手がけたスプラッシュパターンの約200人のうち、リンパ浮腫の発症例はゼロです。リニアパターンと同様に、その後は何もしなくていい。つまり、リンパ浮腫のリスクがあっても『治る』。一方、スターダストパターンまでいけば、リンパ浮腫の進行は抑えられるものの、弾性ストッキング着用などが必要な場合がある」

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