サラリーマン the バイブル

いつもと違う頭痛に注意…の“いつもと違う”とはどんな状態?

どう違う?
どう違う?

 頭痛は日本人の4人に1人が経験しているといわれます。しかし、誘因や症状はさまざま。風邪や二日酔いによる頭痛、あるいは、片頭痛のような慢性頭痛は、命に別条はありませんが、命取りとなるような重篤な病気が隠れている頭痛もあります。

 頭痛は「一次性頭痛」と「二次性頭痛」の2種類に大別されます。一次性頭痛は、原因となる病気がない頭痛のこと。これが、いわゆる「頭痛持ちの頭痛」といわれる緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛などの慢性頭痛です。

 一方、二次性頭痛は、くも膜下出血や脳出血などの頭部血管障害、頭部外傷、脳腫瘍、感染症(髄膜炎)、緑内障など、脳や体に原因となる異常があり、それにより引き起こされる頭痛。放置すると命に関わるものがある、怖い頭痛です。

 質問にある“いつもと違う”とは、一般的に二次性頭痛を指します。具体的には、「今までになく、症状が強い」「突然激しく起こる」「痛みが急に強くなる」「徐々に痛みが増強する」「38~39度の発熱、首の痛みを伴う」「手足のしびれやマヒ、言葉のもつれ(ろれつが回らない)を伴う」「けいれんを伴う」「意識がもうろうとなる」「痛すぎて意識を失う」「全く目を開けられない」などです。

 これまでに経験したことがない頭痛だ、と感じたら、すぐに病院を受診するようにしてください。

 さらに、50~60代で次の項目のいずれかに該当する場合は、二次性頭痛の可能性がより高い。何をおいてもすぐに病院へ行くべきです。その項目とは、①高血圧や糖尿病などの生活習慣病を持っている②くも膜下出血になった家族がいる③血液をサラサラにする薬であるワルファリンやNOAC(新規抗凝固薬)を飲んでいる④高齢者や認知症がある方⑤病院に全く行ったことがない・行くことが少ない方――などです。 (次回は3月12日発売号掲載)

▽国際医療福祉大学熱海病院検査部部長。日本臨床検査医学会認定臨床検査専門医・臨床検査管理医

関連記事