多忙な医師の「燃え尽き症候群」が世界的に問題となっています。燃え尽き症候群とは、強い使命感や責任感を持って人並み以上に仕事に取り組んでいた人が、期待した結果が得られなかった際に感じる徒労感のことです。こうした燃え尽き症候群を防ぐためにも、休日にはスポーツをしたり趣味に没頭するなど、リフレッシュする時間を持つことが大切かもしれません。
ところで、米国においては、医師は休日にゴルフをすることが多いと考えられているそうです。
そんな中、医師の専門領域(診療科)と、ゴルフをする頻度や技量に関連性があるかどうかを検討した研究論文が、英国医師会誌2018年クリスマス特集号に掲載されました。
この研究では、米国人医師102万9088人を対象に、米国ゴルフ協会のデータベースを用いて自身のゴルフのラウンドを記録していた医師を調査し、ゴルフをしていた医師の割合や頻度、ゴルフの技量などが検討されています。
解析の結果、ゴルフをしていた医師は4万1692人(全体の4.1%)でした。その割合は、専門領域別に差があり、整形外科医が最も多く(8.8%)、次いで泌尿器科医(8.1%)、形成外科医(7.5%)と続きます。最も低かったのは内科医と感染症専門医で、共に3%未満でした。
また、ゴルフの技量が最も優れていたのは血管外科医で、次いで胸部外科医、整形外科医と外科系の医師が並びます。他方で、ゴルフの技量が最も低かったのは内分泌科医でした。
当然ながら、ゴルフの頻度が高いことや、その技量が優れていることが医師の健康問題にどれだけ良い影響を与えているかはよく分からず、今後の検討が必要であると結論づけています。
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