患者が語る 糖尿病と一生付き合う法

運動で血糖値低下し捕食 体重維持の目的がかえって太る

ふと、間食したくなっても…(C)PIXTA

 現在の僕はかなり良好な血糖コントロールを維持できているが、それは常に十分な量のインスリンがあり、いつでも補食できるという環境を前提としたものだ。

 仮に今、災害が発生して、避難所生活を余儀なくされたら? 運よくインスリンは携行していたとしても、食べるものが限られていたら、低血糖が怖くてうかつに打つこともできないのでは?

 しかし、その時はその時だ。この病気はどうせ一生自分について回るのだから、実際に起きてもいないことを今から心配してもしかたがない。そう考えるのが、せめてもの知恵というものだ。

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平山瑞穂

平山瑞穂

1968年、東京生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年「ラス・マンチャス通信」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。糖尿病体験に基づく小説では「シュガーな俺」(06年)がある。

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