山口さんは、それからも見事に立ち直り、11年6月からCOMLの理事長となって辻本さんの後を継がれました。20年間、辻本さんとの密度の濃い二人三脚だったといいます。
■医療を正しい方向に修正できる人々はたくさんいる
現在、山口さんはCOMLの仕事だけでなく、患者の立場から医療のあり方、医療倫理のあり方などについて経験に基づいた意見を述べられ、八面六臂の大活躍です。特定機能病院の医療安全監査委員会では8病院で委員を務め、ある大学病院では医療安全監査委員長を務められています。さらに患者・市民の声が求められる風潮から、「医療をささえる市民養成講座」なども開催されています。
この活躍は山口さんの天命だったのだと私は思っています。山口さんはもちろん大変な才能の持ち主ですが、思わぬ環境、思わぬ運命がさらに人を育てていく……そんな“理”を強く感じました。
がんと向き合い生きていく