がんと向き合い生きていく

医療者にすべてお任せするのではなく「賢い患者」になろう

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 そんな山口さんが昨年6月に著書「賢い患者」(岩波新書)を出版されました。昨年12月8日、学士会館にたくさんの方々が集まって、その出版記念会が開かれました。みなさんのご挨拶を聞いていて、私は「これからもし日本の医療が間違った方向に行くことがあったとしても、山口さんをはじめ、正しい方向に修正できる方々がたくさんいる」と感じました。

 がんを克服して生きる山口さん、その存在そのものががん患者を勇気づけている。そして、辻本さんの笑顔がある――。そう思いました。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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