日本人の失明原因4位「加齢黄斑変性」の知られざる深刻さ

50歳以上の1%が発症(C)日刊ゲンダイ

 見え方に変化が起こる理由は、網膜の中心部にある「黄斑」という部分に障害が生じるから。原因は長年にわたる過剰な酸化ストレスの蓄積と慢性炎症だ。加齢黄斑変性には2種類あり、酸化ストレスと慢性炎症で出来た新生血管(異常血管)から出血などが起こるのが「滲出型」。一方、酸化ストレスと慢性炎症によるダメージで細胞が萎縮するのが「萎縮型」だ。

「萎縮型には、治療法がありません。滲出型であれば、加齢黄斑変性の進行を遅らせる抗VEGF作用を持つ薬剤を眼球に注射する抗血管内皮増殖因子療法が、今の中心的治療です」

■最も重要な「予防」2つの方法

 ただし、すでに障害された視力は戻らない。萎縮型はもちろん、滲出型であっても、最も重要なのは「予防」だ。

 第1に、危険因子から遠ざかること。酸化ストレスにつながる喫煙、メタボリックシンドローム、生活習慣病、光に当たりすぎる……などを避ける。酸化ストレスが蓄積すると炎症が起こる、炎症が起こると酸化ストレスが蓄積するという悪循環が起こるので、これを断ち切る。

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