性感染症最前線

淋菌<2>咽頭感染 口だけだから心配ない…は大きな誤解

写真はイメージ(C)PIXTA

 つまり、性風俗従事者(女性)の咽頭にクラミジアや淋菌が感染していて、フェラチオによって男性器に感染するパターン。咽頭感染は、のどの発赤や腫れなどの見た目や自覚できる症状がほとんどない。綿棒やうがい液を使って検査しないと感染は分からないので、気づかず他人にうつしてしまうのだ。

 特にオーラルサービス専門店では、クラミジアよりも淋病の方がうつされやすい傾向があるという。なぜか。

「咽頭は、淋菌にとってすみやすい環境だからです。口の中は常在菌が無数にいますが、その中にナイセリア属の細菌が何種類もいます。淋菌はナイセリア属なので、性器だけでなく咽頭も感染しやすいのです。しかし、クラミジアの咽頭感染も決して少なくないので、油断は禁物です」

 同院では、男女問わず性器淋菌感染者の約30%に、咽頭からも淋菌の検出が見られる。また、男性では性器の淋菌陽性率が咽頭よりも高いのに対して、女性では咽頭の淋菌陽性率が性器より高いという。

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