国立がん研究センターの調査によると、ステージ4の胃がんの場合、75~84歳で治療を受けなかったのは約25%で、85歳以上だと56%。肺がんも肝臓がんもすい臓がんも、ステージ4で85歳以上は「治療せず」が5割を超える。
3人はまったく治療をしていないわけではないが、最低限の治療にとどめた2人が最期まで現場をまっとうできたという点では、「治療しない」という考え方に近いだろう。最新の治療法や薬剤が続々と開発されてもなお、こと自分らしい最期を望むなら、「治療しない」という選択肢があることも頭に入れておいた方がいい。 (あすは「愛人にカネを残す」)
■事前指示書 作成はかかりつけ医と一緒に
必要な治療は、病状によっても人によっても細かく変わってくる。元気なうちに望む内容を紙に書いたり、データに残したりしておくといい。そうすれば、認知症や事故などの後遺症で、突然、意思表示できなくなったときに役立つ。そのための書類が「事前指示書」だ。
「自分が死ぬ」準備