年中くしゃみなら注意…不調は「繊毛」にあるかもしれない

繊毛の動きが鈍いと…

■鼻炎、気管支炎、不妊、がんなどにも関係

 問題はこの繊毛は、一部を除いてほぼ全身の細胞に生えていて、ひとつの繊毛の動きが悪い人はその他の繊毛の動きも悪く、その機能不全は全身のさまざまな病気を招く可能性があることだ。これを繊毛症という。

「右胸心がある人のなかには慢性副鼻腔炎や気管支拡張症を合併することが多いことが知られています。この3つの病気を合併していることを特徴とする病態をカルタゲナー症候群と言います。副鼻腔や気管支の粘膜に生えている繊毛の数が不足していたり、動きが悪かったりすることで空気中の不純物を排除できないからです」(川田医師)

 人間は1日2万リットルの空気を吸っている。その中には花粉、ウイルス、細菌、チリやホコリなど多くの異物が含まれている。鼻やのどや気管支の粘膜表面にびっしり生えている繊毛は、これをキャッチして外に追い出すことで暖かく湿ったきれいな空気を肺に送り届ける。

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