年中くしゃみなら注意…不調は「繊毛」にあるかもしれない

繊毛の動きが鈍いと…

 ところが、繊毛の動きが鈍いとそれができず、慢性副鼻腔炎や気管支拡張症を発症してしまう。

 こうした繊毛は鼻やのどや気管支だけでなく、内耳、卵管、精子、脳、腎臓などにも備わり、重要な役割を果たしている。

 愛知教育大学自然科学系理科教育講座の上野裕則准教授が言う。

「繊毛は、動くものと動かないものの2つに大別されます。動く繊毛は例えば精子です。鞭毛と呼ばれる繊毛と同等の構造が卵子に向かうためのスクリューになります。卵管では生理のときに卵子を排出し、卵管壁の繊毛が受精卵を子宮に送り込む手助けをします。動かない繊毛は、脳内でセロトニンなどの神経伝達物質のレセプター、内耳では平衡感覚を保つためのセンサー、嗅細胞ではにおいの受容体として働いています。また、繊毛は細胞周期にも関係し、がん発症に関わっていることもわかっています」

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