Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

堀ちえみさん4期舌がん 口内炎異常を確実に見抜くチェック

タレントの堀ちえみさん(C)日刊ゲンダイ

 舌に放射線を出す針を刺したり、放射線を出す金粒子を患部に埋め込んだりする治療法で、治癒率は手術と同等の8~9割。会話や食事は、生活の質に直結します。その機能を維持して、この治療成績は注目です。

 しかし、切らずに治療できる小線源療法も、リンパ節転移がない早期が対象。口内炎を放置するのはよくありません。そこでチェックポイントをご紹介します。

●2週間以上続く口内炎

 口内炎はせいぜい10日ほどで治ります。2週間以上持続するときは、別の病気の可能性が高いでしょう。

●舌や歯茎に白斑がある

 白斑は、口腔がんの一歩手前の状態。この段階なら問題ありませんが、赤斑が交ざるとがんが疑われる前がん状態。赤斑は50%ががん化する恐れがあります。

 こうした異常があるときはすぐに耳鼻咽喉科か口腔外科を受診するのがベター。

 さらに定期的な歯科検診では、歯科医や歯科衛生士に「がんのチェックで、舌を触診してください」とお願いすることです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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