病み患いのモトを断つ

寝姿勢、運動、持病…「五十肩」と楽につき合う工夫

肩の不調で戦線離脱した中日の松坂投手と女優の石田ゆり子(C)日刊ゲンダイ

「ひとつは振り子運動で、イスの背もたれに痛まない手で体を支え、痛い方をだらんと垂らして反時計回りの円を描きます。1回1~2分。もうひとつは、向かい合わせのイスに座り、痛まない方の手で痛む方の手首を握り、体を前に引っ張るイメージで向かいのイスの座面に触れるように伸ばします。10秒キープを5回やるといい」

 これが基本だが、五十肩と同じような症状の病気は多く、見分けることが大切だという。

「高齢者は、肩のインナーマッスルの外側にある腱板が断裂することがあります。断裂した方の腕は痛くて上がりません。ところが、五十肩と違って拘縮がないので、痛くない方の腕で支えながら上げると上がります。もうひとつは、腱板に石灰物が沈着する石灰性腱板炎です。石灰物が腱板にあるうちはそれほどでもありませんが、それが流れると激烈な痛みを生じます。石灰性腱板炎の患者さんは、痛まない手で痛い方の腕を支えながらそろっそろっと歩いて受診されます。歩行の振動だけでも痛むのです」

 腱板断裂は炎症を抑える薬物治療が基本で、手術はケース・バイ・ケース。昨年、女優の石田ゆり子が苦しんだ劇症時の石灰性腱板炎は、注射器で石灰物を吸引した上で局所麻酔剤で炎症を取り除くと、激しい痛みは治まるという。

3 / 3 ページ

関連記事