ステージⅣがん治療を断るとどうなる

嚥下障害と頚部の腫れを抑えるため放射線治療を選択した

ミツバチとネモフィラ
ミツバチとネモフィラ(C)日刊ゲンダイ

 先週18日の月曜日、蜂針療法を受けてきた。以前取材で何度か体験しており、免疫力アップと代謝を良くすることは体験済みだ。西洋ミツバチの針をピンセットで抜いて、患部を刺すというもので、針の先には蜂袋があり、中にある蜂毒の有効成分を利用する。ヒポクラテスもその効果を記しているように、4000年以上も続く民間療法だ。

 現在、嚥下(えんげ)障害で飲食物が全く喉を通らない。口から栄養が取れない以上、ほかの免疫力アップの方法を講じなければならない。蜂針療法もそのひとつ。かといって私は現代医学を否定しているわけではない。自分の体と相談して、臨機応変の対応を心掛けている。

 蜂針療法の翌19日、埼玉医科大学国際医療センターを訪ねた。2度目だ。前回私は消化器科の医師にこう話した。

「相談の目的はがんの治療ではない。左頚部の腫れの縮小が止まったこと、嚥下障害が続いていることの改善をしたい」

 医師の返事はこうだ。

「がん治療を受けるかどうかは、その人のポリシーに関わる。症状の改善を図りたいなら、その方法を考えましょう」

 最初に行った大学病院とは雲泥の差の対応だった。同じ病院でも、これだけの違いがあるのだ。

 私は消化器科の医師から放射線の治療を提案され、今回放射線科の医師を紹介され相談に行ってきたのだ。

 放射線科の医師は、一つ一つ丁寧に放射線治療の説明をし、リスクも話してくれた。CTの結果を判断して、頚部や首のスポットに放射線を1回1~3分間当て、当面、15回で良い結果を出したいというものだった。

 今回、放射線治療を決断したのは、今の自分の体力では副作用はほとんど出ないだろう、嚥下障害さえ改善されれば免疫力のアップはかなり図れるだろう、ジム通いも復活できるだろう、そして、がんも克服できるだろう――そんな気持ちからだった。

 この連載は今回で終わりだが、がん宣告から1年後の今年の夏には、良い結果を報告したいと思っている。 (おわり)

笹川伸雄

笹川伸雄

ジャーナリスト。1946年、宮城県生まれ。医、食、健康のジャンルを得意とし、著書に「妙薬探訪」(徳間文庫)など

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