失明リスクの高い目の病気

見えなくなる恐怖が 大橋巨泉さんは目の病気“4冠王”だった

故・大橋巨泉さん(C)共同通信社

 その大橋さんは生前、緑内障の早期発見・早期治療の重要性を訴えるために、緑内障啓発イベントにも参加されたほか、折に触れて目の病気の怖さを語っておられました。

「ボクは目の病気の4冠王ですよ。目の病気は、見えなくなる恐怖があるので怖い」

「僕はいろいろな病気になったけど、医学の進歩のおかげで幸い治療がうまくいった。でも、緑内障だけはかかると治らない。なったらアウト。だからならないことが一番。40歳以上では5%がなるといわれていますので、まずは視力・視野・眼底・眼圧の検査は年1回やってください」

 失明の恐怖にかられながらも日々前向きに、明るくセミリタイアを楽しんでおられた大橋さん。

 医学部教授がその生き方を“理想”と考えたのは納得のいくものでした。

 ちなみに、「巨泉眼鏡」は強度近視用のコンタクトレンズの上に空のメガネ枠をかけただけのだて眼鏡だったそうです。

 これから人生の折り返し地点に立つ、あるいは折り返し中の中高年のみなさんに多い目の病気を紹介しましょう。=つづく

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清澤源弘

清澤源弘

1953年、長野県生まれ。東北大学医学部卒、同大学院修了。86年、仏原子力庁、翌年に米ペンシルベニア大学並びにウイリス眼科病院に留学。92年、東京医科歯科大眼科助教授。2005-2021年清澤眼科院長。2021年11月自由が丘清澤眼科を新たに開院。日本眼科学会専門医、日本眼科医会学術部委員、日本神経眼科学会名誉会員など。

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