命に関わる病気リスク上昇 男性更年期障害はこんなに怖い

テストステロンのピークは20代(C)日刊ゲンダイ

「男性にテストステロン補充療法を行ったところ、約半年後にはAMSスコアが26点以下、つまりLOH症候群が『ない』状態に至りました」

 LOH症候群が近年、注目を集めているのが、メタボリック症候群、うつ、認知機能低下、骨粗しょう症、心血管疾患などのリスクを上げることが明らかになっているからだ。

「前立腺がんの患者さんを手術すると、テストステロンが低い人の方が、病理組織学的悪性度が高い。がんが精嚢まで広がっていたり、がんを取りきれない断端陽性があったり、PSA再発(術後、再び前立腺がんが検知される)が見られます」

■日常生活の再建で男性ホルモン値改善

 日々のつらさを解消するだけでなく、命に関わる重大病対策のためにも、LOH症候群の知識を深めるべきだ。テストステロン減少の程度は個人差が大きいが、40歳以降で不調があるなら、LOH症候群も疑い、まずは医療機関を受診する。「日本Men’s Health医学会」のホームページなどで専門外来を探せる。

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