後悔しない認知症

男性ホルモンが関係 認知症対策としての「色ボケ」の効能

高齢の女性が元気なのは理由がある(C)PIXTA

 つまり、男性ホルモンには他人を思いやる行為やポジティブな行為に人を駆り立てる力があるのではないかと考えられる。いささか暴論と思われるかもしれないが、「男性ホルモンが多い人↓他者に優しい、ポジティブ↓非暴力的、恋愛に積極的」という推論が成り立つと私は考えている。

 また、男性ホルモンが多い人は異性に対する興味が強いと同時に同性に対する興味が強いこともわかってきている。当然、恋愛を望む心を高めるばかりではなく、友人づきあいも多くなる。これが「老い」、言い換えれば脳の機能低下や認知症発症を遅らせることになるのだ。

■高齢の女性グループが元気なのは理由がある

 男性の場合、加齢による男性ホルモンの減少によって近所づきあい、友達づきあいが減少する傾向が高まる。一方、女性の場合、閉経後には女性ホルモンが減少し、男性ホルモンが増加する。その結果、加齢とともに人づきあいが増え、家の外で楽しもうとする傾向が高まる。

2 / 3 ページ

和田秀樹

和田秀樹

1960年大阪生まれ。精神科医。国際医療福祉大学心理学科教授。医師、評論家としてのテレビ出演、著作も多い。最新刊「先生! 親がボケたみたいなんですけど…… 」(祥伝社)が大きな話題となっている。

関連記事