健診で異常なしでも突然死が 食後こそ注意すべき2つの数値

“6時間後”を考えて食事を選ぶ(C)日刊ゲンダイ

■食後血糖値が高いと認知症リスクがアップ

 注目が集まる「食後」の数値のもうひとつは、「食後血糖値」だ。

 血糖値もやはり空腹時の数値が重要視されてきたが、食後の血糖値の急上昇を避けることも重要だと分かってきたのだ。

「血糖値スパイク」という言葉は聞いたことがある人もいるだろう。食後、中性脂肪だけでなく血糖値も上昇する。この上昇が急激に行われ、それを下げようとインスリンが大量に分泌され、急激に血糖値が低下するのが血糖値スパイクだ。

 この血糖値スパイクは有害物質である活性酸素を発生させ、血管を傷つける。糖尿病はもちろん、動脈硬化も進行させ、心疾患・脳血管疾患のリスクを高める。

「さらに、認知症のリスクも高めるのです。認知症発症に関係するタンパク質の一種アミロイドベータは、インスリンを分解する酵素によっても代謝されます。ところが血糖値スパイクで大量にインスリンが分泌されると、この分解酵素の働きがインスリンに集中し、アミロイドベータが代謝されづらくなります。そしてアミロイドベータが蓄積され、認知症発症につながるのです」

 食後血糖値も、健康診断などでは測定されていない。

 森下医師は「食後に眠くなる人は食後血糖値を疑ったほうがいい」と言う。何よりやるべきなのは、自分がどの状態に置かれているかを知ること。気になる人は、検査を。

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