独白 愉快な“病人”たち

引退まで試合では吐き続け…小谷野栄一さん語るパニック障害

小谷野栄一さん(C)日刊ゲンダイ

 かかりつけの整形外科医に勧められ、心療内科を受診したところ「パニック障害」と診断されました。最初は受け入れられませんでした。「何を言ってるの? この先生は?」って。

 でも、寮の廊下から目の前にあるグラウンドで他の選手がプレーしている姿を見ていると、むなしくて、情けなくて……。うつ状態に陥っていたのかもしれないですね。球団に「実家へ帰って、少しゆっくりしてきたら?」と提案いただき、実家に帰ったらぐっすり眠れました。他人の目がなくなって落ち着けたのかもしれません。実は小学生の頃から、学校の授業で当てられそうになるとお腹が痛くなるような性格で、注目されるのが得意ではなかったんです。

 両親が何も知らないかのように、いつも通り接してくれたことに救われました。僕は会社員の父、母、姉、妹の5人家族なのですが、両親は奨学金を借りてまで僕を大学に入れて野球をやらせてくれました。

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