「自分が死ぬ」準備

クロちゃん“わずか”…生活習慣病「未治療」の合併症と余命

クロちゃん(C)日刊ゲンダイ

「糖尿病と高血圧は、人工透析の2大原因です」(西崎氏)

 日本透析医学会の調査によると、人工透析患者の余命は30代で20年ほどで、年齢が上がるにつれて下がる。60代までは年齢が10歳上がると、余命が5歳ダウンするイメージだ。60代だと5年ほどにまで短くなる。

 冒頭のクロちゃんのように生活習慣病の影響で脳の動脈にできたコブが、あるとき破裂したら、くも膜下出血を起こす。50%は命を落とし、20%は重篤な後遺症に苦しめられるという。
高血圧も糖尿病も、生活習慣病は、自覚症状が乏しい。仕事の忙しさにかまけ、クロちゃんのように治療を放置している人は少なくない。「オレは大丈夫」と根拠のない自信がある人もいるだろう。そんな人は、5年さえ危ういかもしれない。

「がんと違って生活習慣病は、服薬して治療を受ければ、重大病を招くことなく寿命をまっとうできる可能性が高い。人生を思う存分楽しみたいなら、しっかり治療すべきです」(西崎氏)

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