リンパ浮腫は保存療法では止まらない…今できる最善のこと

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■症状の進行を遅らせられても止めることはできない

 リンパ浮腫の治療には、弾性包帯や弾性着衣で患部を圧迫する圧迫療法をはじめとする「保存療法」、リンパ管細静脈吻合術や血管柄(へい)付きリンパ節移植術などの「手術療法」がある。山本医師が言う"治療"とは、後者の手術療法だ。

「保存療法では、症状の進行を遅らせることはできても、止めることはできません。手術をしても必ず進行を止められるとは限らないため、手術には賛否両論があります。しかし、手術をしなければ確実に進行する。最初に検討されるリンパ管細静脈吻合術は非常に負担の少ない手術ですが、進行すれば、それが不可能になることも。負担の大きい血管柄(へい)付きリンパ節移植術や、あるいはそれすらもできないようになります」

 すでにむくみが出ている患者の場合、今できることは、まずはリンパの流れの検査だ。この検査は保険適用外ということもあり、行われていないケースが圧倒的に多い。しかし、リンパ浮腫がリンパの流れが悪くなる病気であることを考えると、適切な治療を考える上で必須。残念ながら自費診療だが(一部、研究目的で医療機関が費用を負担するところもある)、“もう少し前ならあの治療ができたのに……”と後で後悔しないためにも、受けた方がいい。

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