検査数値 裏読みナナメ読み

早期発見のカギ eGFRは60前後で治療すれば腎不全を免れる

クレアチニン値で腎機能を計算(C)日刊ゲンダイ

 腎臓の中にある糸球体は、老廃物を濾過する重要な働きがあります。たとえば慢性的な高血圧によって、その濾過機能が低下すると、体に必要なタンパク質が再吸収されず、漏れることも。そんな状態を放置すると、やがて腎不全となり、人工透析を余儀なくされますから、糸球体の濾過機能は早期にチェックすることが欠かせません。

 そこで重要なのがeGFRです。筋肉の代謝産物で尿から排出されるクレアチニンの数値を用いて推算します。

 前回、クレアチニンの数値は、採血と採尿の数値があることを説明。採血の値は腎機能が半分以下にならないと上昇しないため、早期チェックには不向きで、両方の数値を使うクレアチニン・クリアランスは、最低でも2時間の尿をためる検査時間の長さが不便だとお話ししました。

 ところが長年の研究の成果で、採血のクレアチニン値と年齢、性別の3つの要素から、糸球体がどれくらい濾過できるかを推算する計算式が分かったのです。その式は複雑なので、ここでは割愛します。ネットなどを参照して、健康診断の結果などを入力して求めてみるといいでしょう。

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