病み患いのモトを断つ

東京の飛散量は3倍…「かぶれ・かゆみ」は花粉のせいかも

空気が乾燥していて肌も乾燥しやすい
空気が乾燥していて肌も乾燥しやすい

 3月になって関東から西のエリアは、寒さが和らいできた。気温の上昇とともにじわじわと増えているのがスギ花粉だ。東京の飛散量は2月末時点で去年の2~3倍。6年ぶりの大量飛散が予想されているだけに、花粉症の人にとっては厄介だろう。毎年決まってこの時季にやってくるアイツらが悪さをするのは、鼻や目だけじゃない。皮膚にもトラブルを起こすのだ。すみれ皮膚科クリニックの藤田伸弘院長に聞いた。

「花粉症シーズンの序盤の2月は、空気が乾燥していて、肌も乾燥しやすい。それで肌のバリアー機能が衰えたところに、花粉が付着すると、かゆみやひりひりとした痛みなどのアレルギー症状が表れるのです」

 季節の変わり目で、外出時に上着を羽織っていることが多く、症状が出るのは皮膚が露出する顔や首筋、耳の周りなどがほとんどだという。

「見た目に直結するので顔が厄介です。かゆみが強い人はかきむしってしまい、皮膚がジュクジュクしたり、真っ赤なかぶれが頬や首筋に広がったりすることもあります。予防が大切です」

 そこまで悪化した人は仕事もつらい。すぐに皮膚科を受診するだろう。しかし、「何となくかゆい」というくらいで放置してこじれるケースもあるそうだ。

 男性は女性より比較的皮脂が多く、保湿力が高いが、中高年でかさついてきたら要注意。

 ほかの病気や生活の乱れなどで顔に炎症やかぶれなどができていると、なおさらだろう。

「『この時季だけ顔がかゆくなる』というような人は典型ですが、目の症状がそれほど強くないと、患者さんは花粉症と結びつかず、何年か経って受診されることがあります。そういう方はアレルギーの原因を調べる検査をして、ダニやホコリなどほかのアレルギー反応を示さず、スギに反応していたら、花粉症と診断。治療は、鼻炎が主症状の花粉症と同じで、抗アレルギー薬を服用すること。その上で、症状に応じた治療や保湿が大切です」

 花粉が肌トラブルの原因だから花粉皮膚炎。その対策は、どうすればいいのか。

「真っ赤なかぶれが広がっているような方は、まずかぶれの炎症を抑えることが第一。場合によってはステロイド剤が必要なこともあります。それが落ち着いたら、症状が軽い人と同じようにワセリンなどの保湿剤を塗って、花粉が皮膚に接触できないようにする。唇が荒れていると、唇がかゆくなりやすい。そういう時は、リップクリームを使うと効果的です」

 男性の場合、注意したいのはひげそりの後。カミソリなどの刃で皮膚表面の角質がそり落とされているため、バリアー機能が失われている。アフターシェーブローションや保湿剤でしっかり保湿しないと、ノーガードで無数の花粉と向き合うことになるので要注意だ。

関連記事