更年期を知って夫婦円満

夫の“気づき”で治療開始 ポイントは「いつもと違う」不調

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 更年期に関する情報は女性向けに発信されることが多く、夫や家族に向けられた情報がなかなかありません。しかし、意外にも、私の周りには夫や家族が気付き、治療に結びついたケースがあります。

 夫から「更年期じゃない?」と言われたのはA子さん。彼女の不調を見かねた夫が、ひそかに会社の女性の同僚に相談し、更年期というキーワードに行き着いたそうです。

 B子さんは疲れがひどく仕事を休みがちになっていた時、高校生の息子から「更年期じゃない? 病院へ行った方がいいよ」と声をかけられました。更年期はまだ早いと思っていたそうですが、息子の一言で病院を受診しようと思い立ったとか。どちらのケースも、家族が病院まで付き添い、治療開始に至っています。

 よく聞くのが、「更年期になる年代では、まだないと思っていた」。私も同じような経験があります。

 最初は眠れない、めまい、動悸(どうき)や手のこわばりなど。更年期とは全く思わず、内科や整形外科などを転々とし、薬を飲みましたが、治まらない。

 数年過ぎたある朝、ベッドから起き上がる気力がなくなり、“もしかして……”と思いました。しかし、自力でクリニックへ行く元気がない。夫に手を引いてもらい、更年期専門のクリニックに行きました。

 更年期は、ネガティブなイメージが強い。読者の男性の中には、妻を傷つけてしまうのではないかと心配し、口にできずにいる方もいるでしょう。更年期症状は、女性の健康全体を支えているエストロゲンという女性ホルモンが減少することで表れます。エストロゲンは体全体の健康を支えているので、減少すると、さまざまな組み合わせで心身に不調が出てくるのです。

 今通っている更年期専門クリニックのドクターによれば、私のように夫に手を引かれ来院する女性は少なくないそうです。適切な治療をすれば、多くの症状は改善されます。女性はもちろん、男性にも、更年期の知識をぜひ持っていただきたいです。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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