独白 愉快な“病人”たち

小学生時代からの「凝り」が突然…岩佐まりさん難病を語る

岩佐まりさん(C)日刊ゲンダイ

■母親の“背中”が今の私を支えてくれている

 難病と診断された帰り道は一番落ち込みました。「どうして私が?」「このタイミングでなんで?」と……。認知症の母との介護生活は決して楽ではありません。自分が望んで始めたこととはいえ、追い打ちをかけるように自分が難病になってしまうなんて……。

 でも、そのとき15年前の母を思い出したんです。若年性認知症と診断されて病院を出た途端、それまで冷静だった母が子どものようにわんわん泣き出した姿を。

 私は母を励まし続けました。そして母も苦しみの中から立ち直って、今まで一緒に歩いてきたのです。

 それを振り返ると、「今ここで落ち込んでいたらダメだ。私も母のように立ち直らなければいけない」と思えたんです。

 母がこの15年間、ちゃんと背中を見せてくれていたんですね。その母の背中が、今の私を支えています。

4 / 5 ページ

関連記事