Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

ヤフーの厚労大臣賞受賞で注目 がんの治療と仕事の両立

受賞企業の担当者と(左が筆者)/(C)日刊ゲンダイ

 毎年新たに100万人ががんと診断されます。がんになる確率は、男性は3人に2人、女性は2人に1人。決して珍しい病気でも、不治の病でもありません。

 そんなことをこの連載や講演などで何度となくお伝えしてきましたが、よもや自分が膀胱がんになるとはまったく思っていませんでした。統計的にはがんになるリスクの方が高いのに、です。

 現在58歳。新年は4日から通常通り放射線科医として勤務しています。仕事を休んだのは、年末の仕事納めの日のみでした。何が言いたいかというと、これからのがん治療は、仕事との両立がとても大きなテーマだということ。新規発症者のうち20万人は、65歳未満の働き盛り。すでに発症している人を含めると32万人に上ります。

 では、どうやって両立するか。厚労省は「がん対策推進企業アクション」に取り組んでいて、がん対策に取り組む企業をサポートしています。私はその議長に携わっていて、先日、先進的ながん対策を行っている企業の表彰式がありました。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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