更年期を知って夫婦円満

40代半ばから腰痛が悪化…背後に隠れていた意外な原因とは

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 更年期症状といえば、イライラ、うつ状態、発汗や顔の火照りなどのホットフラッシュを連想する方が多いと思います。しかし、実際の症状は、非常に多岐にわたっています。

 A子さんは若い頃から腰痛を頻繁に起こしていました。40代半ばあたりから頻度や程度が増し、時にギックリ腰を起こしたかと思うほど強い痛みに襲われることもありました。食事の皿を運ぶのも、テーブルに手をつかなければならないほどでありました。

 整形外科でレントゲン検査を受けたが異常なし。そんな時、メノポーズカウンセラーの話を聞く機会があり、「もしかして、これも更年期症状?」と思ったそうです。半信半疑のまま検査を受け、治療を開始すると、嘘のように腰痛が軽減しました。

 更年期障害には、主に「更年期のエストロゲン低下による要因」「環境的な要因」「本人の気質」といった3つの要因があります。

 老化が進むと卵巣機能が低下し、女性ホルモン、特にエストロゲン量の減少が始まります。エストロゲンには生殖機能作用のほかに、心血管系、自律神経系、脳機能、皮膚代謝、脂質代謝、骨代謝などの作用を持っています。

 40歳を過ぎる頃からエストロゲンの低下は徐々に始まるので、体のさまざまなところで不調に陥ってしまうのです。さらにこの時期に、子供の自立、家族の病気や介護などで環境が大きく変わることで、それがストレスとなり、体に悪影響を及ぼします。A子さんのように、若い頃からあった軽い腰痛症状がこの時期に強く出る方も珍しくありません。

 更年期症状には、動悸、息切れ、めまいなど、重い病気を思わせるような症状もあります。その分野の専門医が診察して異常がないと診断したら、更年期障害かもしれません。「気の持ちよう」「我慢が足りない」などと簡単に判断せず、婦人科や更年期専門外来で診てもらうことをお勧めします。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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