■自分なら医療者から「死」についての話題は出してほしくない
ある緩和病棟に入った終末期と思われる患者が、スタッフから「死の覚悟を求められた」ということがありました。どのような経緯で、どんなことを考えて緩和病棟に入院したか、患者の思いはそれぞれ違います。
この緩和病棟では、スタッフは安寧な死を迎えるために、しっかり「死の受容」をしていてほしいと思っているのかもしれません。しかし、医療者から「死の覚悟を求められる」というのは、どうも違うと思うのです。
もし、私が緩和病棟に入ることになった場合は、その時になって違ってくるかも知れませんが、できれば淡々と過ごしたい。医療者から「死」についての話題はあまり出してほしくないと今は考えています。
宗教学者の山折哲雄氏は「死を見つめて生きる」(ビジネス社)の中でこう述べています。
がんと向き合い生きていく