医者も知らない医学の新常識

放射線医学専門誌で報告 ネクタイが認知症の原因になる?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ひと昔前には、サラリーマンはネクタイを締めていないと、一人前とは認められないような雰囲気がありました。真夏でもネクタイをしっかり締めて汗だくになっている、という光景が当たり前でした。ただ、クールビズがもてはやされて以降は、少しずつその流れは変わってきています。IT関連などの比較的新しい産業や、若者が中心の企業では、ノーネクタイが当たり前、という仕事現場も増えています。それでも、やはりフォーマルな席ではスーツにネクタイという常識は、根強く残ってはいるようです。

 ネクタイの嫌いな人の言い分は、首が苦しくて呼吸がしにくい、というものです。しかし、実際に科学的にはどうなのでしょうか? 昨年の放射線医学の専門誌に、ネクタイによる脳血流の変化を検証した論文が掲載されています。これはネクタイをきつく締めた状態と、外した状態とで、MRI検査によって脳の血流の変化をみたものです。対象は13人の男性ボランティアです。すると、ネクタイを締めることにより、脳の血流は平均で7.5%低下し、外しても15分は低下した状態が続いていました。通常この程度脳血流が低下しても、健康上の問題になることはありませんが、長期的には脳の機能が低下する可能性も否定できません。

 ネクタイをきついと感じるほど締めることは、健康にも問題があるようです。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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