突然ですが皆さんは立ったまま靴下をはけますか?
無理という人は、すでにロコモが始まっているかもしれません。気をつけないと、ちょっとした段差でつまずいたり、理由もなく転んだりするかもしれません。
ロコモの原因のひとつは関節や骨などの故障ですが、筋肉をコントロールする神経の衰えが原因であることも多いといわれています。そしてその原因が、神経の細胞膜の酸化であると考えられています。
活性酸素の悪影響のなかで、最も注目を集めているのが不飽和脂肪酸の酸化です。神経に限らず細胞はすべて、脂質(脂肪酸とコレステロール)でできた細胞膜に包まれています。そして不飽和脂肪酸こそ、その重要な材料だからです。
不飽和脂肪酸を多く含んだ細胞膜は、薄くて丈夫でしなやかです。必要な栄養素を外部から取り入れるにも、不要になった老廃物を外部に排出するにも有利です。特に神経細胞では、筋肉を動かす電気信号をスムーズに伝達するのに適しています。

全身の対策を 体を老化させる「酸化」「活性酸素」の仕組み
- 2019年03月12日

「サバ缶」とアンチエイジングに科学的な根拠はあるのか
- 2019年03月14日

永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。