人生100年時代の健康法

酸化の連鎖抑制に関係 老化防止にビタミンEとCが必要な理由

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ところが、不飽和脂肪酸は酸化されやすい。ミトコンドリアで発生した活性酸素の一部は、細胞膜の不飽和脂肪酸を酸化してしまいます。しかも1カ所でも酸化されると、周囲に連鎖反応が起こって、膜全体がどんどん劣化してしまうのです。神経細胞でそれが起こると、電気信号が伝わりにくくなるため、筋肉の制御がうまく取れなくなってきて、ロコモ状態に陥っていくと考えられています。

 ちなみに紫外線も活性酸素を作り出します。皮膚の細胞膜は、主に紫外線の影響で酸化が進みます。酸化が進むと細胞膜が縮むため、目に見えるシワとして表れます。

 酸化の連鎖反応を抑えるのがビタミンEです。ただし、その代償として、ビタミンE自体が活性化されてしまい、放っておくと何か別の物質と無意味に結合してしまいます。そこで登場するのがビタミンCです。活性化したビタミンEを無害にする役割を担っています。

 女性の美肌化粧品にCとEが入っているのはそういう理由です。しかし表面だけ取り繕っても、中身が錆びだらけでは、どうなのでしょう。どうせCやEを取るなら口から入れたほうが効果的でしょう。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

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