「しかも、HLA―B27陽性者のうち強直性脊椎炎の患者は5%程度しかいません」
強直性脊椎炎の早期段階である「エックス線基準を満たさない」体軸性脊椎関節炎の診断基準では、仙腸関節のMRI検査の陽性所見、あるいは血液検査の結果がHLA―B27陽性となれば、腰痛(炎症性背部痛)や関節炎などを見て、確定診断に至る。
ところが日本人はHLA―B27の陽性率が極めて低く、かつ、HLA―B27陽性のうち強直性脊椎炎の患者が占める割合も極めて低いため、血液検査から早期診断に至るケースはまれだ。
■新薬登場で症状のコントロールが可能に
この段階では、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の投与や運動療法などの治療がまず行われる。
経過観察で、強直性脊椎炎に移行するかどうかをチェックするのも重要。強直性脊椎炎では、TNF阻害薬や昨年12月承認のIL(インターロイキン)―17阻害生物学的製剤なども用いる。