独白 愉快な“病人”たち

兼元謙任さんが振り返る ギラン・バレー症候群の壮絶治療

兼元謙任さん(C)日刊ゲンダイ

 そのうちに筋力がなくなって車椅子になりました。頭もタランと垂れてしまうので、首をベルトで吊られていたくらいひどい状態でした。

 それで、ついにステロイドの集中投与が始まりました。医師から「新しい薬」と言われ、10円玉大の薬を一日に17錠も飲まされるんです。肝不全や顔が丸くなるムーンフェースなど、いろいろな副作用が出るのでつらいのですが、「これ以上、病状が悪くなるよりはいいでしょう」と言わんばかりに治療は続きました。食べれば吐くし、ガリガリなのに顔だけが丸い……。その頃のことは「つらかった」ということしか覚えていません。薬は飲みたくないけれど、死にかけるとまた飲むという感じでした。

 でも、それを半年ほど続けていたら、何と治ったんです(笑い)。リハビリ中に急に筋力が戻ってきたことを感じました。そこから徐々に回復し、通学と入院を繰り返しながら、出席日数ギリギリで中学を卒業しました。

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