人生100年時代を支える注目医療

世界中どこからでも手術支援が 5G遠隔高度医療の最新事情

「モバイルSCOT」のイメージ模型(右上)、「MWC19バルセロナ」の展示(右下)(左は村垣善浩教授)/(提供写真)

「これはSCOTを大型トレーラー内に設置した専用車で、災害現場などへ急行できるようにした動くスマート治療室です。それで展示では、その手術に精通するドクターが高速鉄道で移動中という想定で、車内から5Gを使った遠隔医療用の端末で実際にモバイルSCOT内で手術をしている医師やスタッフにリアルタイムで助言や支援をするといったことを表して展示しました」

 SCOT自体は手術室内のすべての情報が一元化されてつながっているので、そこに5Gの通信技術が加われば熟練の専門医はどこにいようと手術現場に立ち会える。医療に5Gの活用が普及することは、診療を受ける患者側と診療をする医療者側のいる場所を問わなくなることにつながっていくという。

 また、NTTドコモは和歌山県、県立医科大と遠隔診療の実証実験を行っている。実際に患者宅を訪問するのは地域の医師だが、5Gでつないで同大学の専門医も参加する。前橋市や前橋赤十字病院とは5Gを用いた救急搬送の実証実験を行っている。救急車やドクターから心電図やエコー、高精細カメラ映像などの情報を病院へ送信し、それを確認しながら隊員らに指示を出すといった試みだ。5Gをうまく活用すれば、医療の均てん化やスピード化が進む。来年からの実用開始に期待したい。

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