がんと向き合い生きていく

治療はしんどいが通常の急性骨髄性白血病なら約80%が寛解

都立駒込病院の佐々木常雄名誉院長(C)日刊ゲンダイ

 白血球数もほとんどゼロになりますから、一番怖いのが感染症です。清潔な空気が流れるクリーンルームにいても、発熱を繰り返すことがあります。口腔粘膜もやられて口内炎を起こし、食事もつらくなります。

 治療開始後、約2週間で白血球数は最低となり、その後、次第に回復に向かいます。そして約1カ月後に正常細胞は回復し、骨髄中の白血病細胞の割合が5%以下になれば完全寛解となります。

 まさに“生還”です。

■抗がん剤を大量に使うから副作用も強い

 白血病細胞を叩いて死滅させる、骨髄をゼロにするほど徹底して叩く治療ですから、胃がんや肺がんのような抗がん剤治療とは異なります。

 一般的に、胃がんなどの固形がんでは、急性白血病の治療のように白血球数がゼロになるまで叩いたとしても、がんは小さくはなっても消えません。ですから、手術で切除できるものは切り取るのが第1手段です。しかし、血液のがんである急性白血病では手術はできないので、大量の抗がん剤で叩ききって治癒が得られるのです。そこに、急性白血病の治療の大変さがあります。大量の抗がん剤ですから副作用も強いのです。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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