独白 愉快な“病人”たち

「日本うんこ学会会長」石井洋介さん 潰瘍性大腸炎を語る

消化器外科医・日本うんこ学会会長の石井洋介さん(C)日刊ゲンダイ

 すぐに大腸内視鏡カメラの検査が行われ、「潰瘍性大腸炎」と確定してからさらに1カ月の入院でした。全快はしない難病なので「寛解」(症状が治まった状態)で退院となり、高校に復学しました。しかし、入学間もない時期の2カ月間のブランクはなかなか埋められません。おまけに、体調が不安定で学校は休みがち。勉強はもとよりクラスメートと話が合わなくなりました。

 さらに、退院の際に「脂っこい物や辛い物、甘い物は控えめに」と注意されたことが、ボクにとっては「食べちゃダメ」に等しく響いて、自主的に食事制限をしていたんです。それで、友達もボクを誘いづらくなって、いつしか孤独に……。

 トドメは電車に乗るとトイレに行きたくなってしまうことでした。登校時に何度も途中下車しているうちに、「友達もいないし、学校に行く理由がないな」と思ってしまって、途中下車した駅でふらふら遊ぶようになったんです。

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