独白 愉快な“病人”たち

「日本うんこ学会会長」石井洋介さん 潰瘍性大腸炎を語る

消化器外科医・日本うんこ学会会長の石井洋介さん(C)日刊ゲンダイ

 その結果、不登校に(笑い)。1年の終わりから始まって、2、3年生では年間欠席200日! 担任教師の尽力があって卒業はなんとかできましたが、大学付属校だったのにエスカレーターにのれず、自動的にフリーターになりました。

 再び入院となったのは高校を卒業した年の夏でした。腹痛、発熱、下血が続き、強めの治療をしても良くならないまま1カ月が経ちました。そして入院中に大量下血して、トータル約6リットルの大量輸血をしたそうです。血液を総入れ替えしたぐらいの量です。「緊急手術」と聞かされた時は、「今日死ぬのかも」と初めて死を意識しました。

 友達もなく、夢もなく、難病を抱えて自暴自棄になっていたボクですが、いざ本当に死にかけてみたらやっぱり死にたくありませんでした。

「もう一度、元気になって少しでも世の中の役に立つような生き方をしてから死にたい」と、初めて生きる理由を考えたのです。

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