独白 愉快な“病人”たち

「日本うんこ学会会長」石井洋介さん 潰瘍性大腸炎を語る

消化器外科医・日本うんこ学会会長の石井洋介さん(C)日刊ゲンダイ

 そして19歳で人工肛門になりました。もう食事制限もないし、抱えていた不調もなくなり、「やるしかない!」と人生に前向きになったのですが、何かやろうとすると二の足を踏んでしまう。「街に出よう」「でも人工肛門だしな」、「彼女をつくろう」「でも人工肛門だしな」という具合に、人工肛門を理由に動きだせない自分がいたのです。

■人工肛門閉鎖手術で抱えていた不安が消えた

 しかし、あるときインターネットで「人工肛門閉鎖手術」というものを知り、それをやっている病院が全国に2カ所だけあることを発見しました。そのひとつが横浜市立市民病院でした。

 自宅から比較的近かったので、さっそく受診してみると、「3カ月後に手術しましょう」と、あっさり決まりました。回腸嚢肛門管吻合術という、小腸を少しひっくり返して便がたまる袋を作り、肛門とつなげる手術をしたのです。もう、便意もあれば我慢もできる普通の人と変わらない生活です。

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