Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

梅宮さん6度で大空さん9度 多発がんを克服する人の共通項

梅宮辰夫と大空真弓(C)日刊ゲンダイ

■厄介なすい臓は肝臓検査で…

 医学の進歩で、がんは不治の病ではなく、早期なら治る病気になっています。それでも、がんという診断を突きつけられることは重い意味があり、決してうれしいことではありません。つらい思いをされている方々にとって、2人の話は励みになるはずです。がんでない人にとっては、早期発見を心掛ける動機づけになるでしょう。

 すい臓がんは難治がんといわれます。そんな厄介者が早期発見されるのは、肝臓がんの治療後が典型です。肝臓がんでなくても、定期的な肝臓のエコー検査などで早期発見できるケースもあります。CT検査を多く受けている人ほどすい臓がんが見つかりやすいという報告もあります。

 CTについては被曝の影響もありますが、前回も触れた通りがんでも一病息災ということはあると思います。がんとうまく付き合うには、予防や念のためという心掛けが大切です。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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