病み患いのモトを断つ

がんを媒介することも…セックスと重大病の気になる関係

飲酒後は危ない(C)日刊ゲンダイ

 東京都健康長寿医療センターの桑島巌顧問が言う。

「腹上死は、血圧の急上昇が関係します。性行為は運動しているのと同じですから、高血圧や糖尿病などの持病があれば、男女関係なく発症する恐れがあるのです」

 冒頭の論文では、「性交中に動脈内モニターを用いた研究では、セックス中の血圧と心拍は不安定で、絶頂時に急上昇することを示した」としている。男性は歯を食いしばってピストンするのがよくないが、女性によってはピーク時に過呼吸になる人がいる。そういう女性も一時的な酸欠になりやすい。それが“運動”と相まって血圧の急上昇を招くのだろう。

 元東京都監察医務院院長の上野正彦氏がまとめた「ED Practice 2005、性行為と心血管事故の発生の関連から」によると、腹上死が多発するのは「春」で「30、40代の中年層」に多いのは、論文の症例と重なる。死因は「心筋梗塞や心不全が56%、脳卒中が43%」。この女性は飲酒習慣があるが、「ED――」では「3割は行為前に飲酒」していたという。

2 / 4 ページ

関連記事