「自分が死ぬ」準備

健康増進やモテにもつながる シニアから始める楽器の効能

気分は「わが心のジョージア」(レイ・チャールズ・右)で…(C)共同通信社

■ピアノで認知機能が上昇

「認知症予防ではピアノが一番です。楽譜で見たことを、脳が両指で必要な動作に置き換えてそれぞれの指に指令し、表現されたものを確認し、改善を図る。これは脳にとってかなり高度な作業です」

 広島文化学園大の研究者らによる「楽器演奏介入が高齢者の認知機能に与える効果について」によれば、60歳から70歳代の音楽に未習熟な高齢者を対象に4カ月間ピアノの集団レッスンを実施したところ、うつ傾向が低減し、実行系機能(注意や予測をしながら情報を記憶するなどの認知機能)の上昇が認められたという。また、「ピアニストの脳を科学する」(春秋社)によれば、〈脳卒中の患者さんにピアノの鍵盤を指で押さえてもらったり、ドラムを叩いてもらったりして音を出すリハビリは、通常のリハビリ法(CIT)に比べ、顕著な運動機能回復効果がある〉としている。

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