医者も知らない医学の新常識

PET検査が脳の年齢差を測定 若いのは男性か女性か?

写真はイメージ

 だいぶ前に男脳と女脳のような本が、ベストセラーになったことがありました。男女の脳には違いがあり、それが性別による性格などの違いにつながっている、というような主張でした。確かに性差が脳の形や機能に影響を与えていることは事実ですが、研究結果はまちまちで確実といえるような知見がないのが現状です。これまでの研究は主に同じ年齢で男女の脳を比較したものでした。

 それでは、脳の老化には男女の差があるのでしょうか? 女性は男性より長生きですから、脳寿命も長いということは想定されます。一方で認知症は女性に多いというような報告もあります。このことからは、脳の老化は女性の方が早い、というような想像も出来ます。

 果たして実際はどうなのでしょうか? 今年の米国科学アカデミー紀要という科学の専門誌に、年齢と脳の男女差についての興味深い論文が掲載されています。ここでは、PET(ペット)という脳の代謝を測定出来る検査を活用して、脳年齢の男女差を比較検証しています。脳はブドウ糖を栄養として活動していますが、その取り込みの力は年齢とともに低下していきます。それを利用して脳年齢を計算しているのです。

 その結果、脳年齢は平均で3.8歳男性より女性が若い、というデータが得られました。この差は20代で既に認められていて、脳の若さは思春期には既に決定されていたのです。脳の若さは女性に分があるようです。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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