「自分が死ぬ」準備

断食で“若返り遺伝子”活発に どれくらいの期間抜けばいい

榎木孝明さん、さすがにお若い!(C)日刊ゲンダイ

 古家教授はこれが人間にも当てはまるのか、次にヒトで実験。必要摂取カロリーから25%減らした食事を7週間続けさせたところ、サーチュイン遺伝子の働きが最大で10倍、48時間の断食でも2~4倍も増えたという。古家教授は「サーチュイン遺伝子は免疫細胞を活性化させたり、血管の老化、傷ついた遺伝子修復機能も考えられる」と言うのだ。

 サーチュイン遺伝子が筋肉や血管などさまざまな細胞に「働け!」と指令を出すのだが、面白いことにサーチュイン遺伝子は空腹の時でしかスイッチが入らない。ということで、断食すればいいわけだ。

 では、健康のためにはどれくらいの期間、断食すればいいのか? 米イリノイ大学シカゴ校の肥満者対象の調査では、夜6時以降、朝10時まで(16時間)何も食べないと、12週間で体重が平均3%、最高血圧が7㎜Hg低下した。この調査のミソはカロリー制限がなく、それ以外の時間は好きなだけ食べていいことだ。

 米マサチューセッツ工科大の動物・細胞実験では、24時間の絶食で幹細胞の再生能力が2倍になった。がん予防が期待されるわけだ。

 月に1回24時間、はたまた夜は食べないと違いはあるが、「若くなったね」と言われるために断食道場に通うのも手だ。

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