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米国では9人に1人が発症…深刻な産後うつに新薬が初の承認

写真はイメージ

 アメリカではお母さんの9人に1人が産後うつになるといわれています。重いケースでは自殺など命に関わるほか、お母さんと新生児の結びつきにも影響を与える恐れがある病気です。この産後うつを治療する画期的な新薬がアメリカ食品医薬品局の認可を受け、大きな話題になっています。

「ブレキサノロン」は、商品名「ザルレソ」として販売され、静脈点滴で60時間投与されます。副作用は眠気やめまいなど全般的に軽いとされていますが、過剰な鎮静作用や急に意識を失うなどのリスクもあり、投与は許可を受けた医療機関のみ。医師の注意深いモニタリングの下で行うことが認可の条件です。

 臨床試験に参加した200人のうち、ブレキサノロンを投与された人の75%は、少なくとも症状が50%緩和したという結果が出ています。そのうちの1人は、「通常の抗うつ剤に比べ効果が表れるのがとても早かった」とコメントしていました。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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