高濃度日の翌日は死亡率3%増「PM2.5」の誤解と真実

北京はこの状態(C)共同通信社

■少しでも吸い込むと病気になる?

「工場の排煙や自動車の排ガス、鉱山の粉じんなど人為由来のものをイメージしがちですが、黄砂や海塩、火山灰など自然由来のものも多く、地球で生存していればPM2.5を吸わずに暮らせません。問題はその量です」 日本の大気環境基準は年平均値が15μg/立方メートル以下で、かつ1時間値が35μg/立方メートル以下である。WHOは年平均で10μg/立方メートルで、かつ24時間平均で25μg/立方メートルとなっている。日本では環境基準とは別に注意喚起基準を設けており、1日平均値が70μg/立方メートルを超えると「不要不急の外出や屋外での長時間の激しい運動をできるだけ減らす」よう注意を促している。

「環境基準や注意喚起基準を超えたら直ちに危険というわけではありません。ただし、PM2.5の影響を受けやすい高齢者や小児、糖尿病や高血圧などがある人は慎重に行動する必要があります」

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