私が診た患者さんの中にも、突発性難聴と診断され、「突発性難聴は治療(ステロイドホルモン剤の投与など)を行っても後遺症なく完治することもあれば全く聴力を喪失することもある」と説明され、どちらの結果になってもMRIなどで脳を調べることなく放置されている方が少なくありません。
それらの患者さんは、たまたま聴神経腫瘍のことを知り、受診してくれたからまだ良かった。しかし、そうでなかったら最悪の事態に陥っていたかもしれません。いえ、最初に聞こえの悪さを感じた時点で聴神経腫瘍が見つかり、聴覚が残っている段階で腫瘍を摘出していたら、聴力をそこまで失わずに済んだかもしれないのです。
次回では、突発性難聴と誤診されないために知っておいていただきたいことを紹介します。
耳鳴りめまい難聴…聴神経腫瘍かも