100年老けない脳の作り方

脳を守る食事は「2つの油」が重要 医師の白澤卓二氏に聞く

ジョコビッチはグルテンフリーで世界王者に(右は上からココナッツオイル、さばの塩焼き)/(C)新華社/共同通信イメージズ

 脳のエネルギー源はブドウ糖と考えられてきたが、最近は脂肪の代謝産物・ケトン体こそ重要と考えられる。

「脳をはじめとする神経の接合部であるシナプスには、細胞内のエネルギー工場のミトコンドリアが集まっています。ケトン体は、そこに直接作用するため、ブドウ糖よりエネルギー効率が高い。脳の神経細胞のエネルギー不足解消にうってつけで、シナプスの機能低下の改善が期待できます」

 そのケトン体の材料となるのが、もう1つの油、ココナツオイルだ。ココナツオイルは肝臓に運ばれると、ケトン体に代謝されるという。

「ブドウ糖の材料が炭水化物で、ケトン体の材料がココナツオイル。小学生と中学生にブドウ糖食とケトン体食を食べてもらって偏差値を比較すると、後者の方が高いことが分かりました。ケトン体食は血糖値の変動が少なく、食後に眠くならない。認知機能だけでなく、集中力を持続させる効果もあるのです」

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