進化する糖尿病治療法

血液検査は正常 それでも心筋梗塞のリスクが高い人は?

坂本昌也准教授(C)日刊ゲンダイ

 要は、血管を傷める行為がどれだけ繰り返されてきたか。50代になってから糖尿病の治療を受け、生活習慣改善に取り組んでも、20~30代の生活が乱れていたり、肥満の過去があったり、悪玉コレステロールや中性脂肪が高い時期が長く続いていたりすると、それらの悪影響は後々まで続く。「負の遺産」として一生抱えていかなければならないのです。

 糖尿病治療の上で考えなければならないのは、現在の状況はもちろん、負の遺産にも目を向け、その患者さんごとに最もいい治療法を考えていくこと。こういった意識を糖尿病専門医が持つようになったのは近年のこと。検査の数値はいいのに突然、心筋梗塞、脳梗塞に襲われる患者さんをたくさん診てきた中で、出てきた考え方なのです。

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坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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