更年期を知って夫婦円満

ホルモン補充療法が乳がんリスクに与える影響は小さい

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

①乳がんリスクに及ぼすHRTの影響は小さい

②HRTによる乳がんリスクは、主として併用される黄体ホルモンの種類とHRTの施行期間に関連している

③乳がんリスクはHRTを中止すると低下する

 つまり、エストロゲンを黄体ホルモンと併用すれば、施行期間とともに乳がんリスクが上昇する。しかし、そのリスク値は高くはなく、アルコール摂取、肥満、喫煙などによる乳がんリスクと同程度かそれ以下。かつ、HRTの期間が5年未満であれば有意な上昇は見られず、HRTを中止すれば乳がんリスクは低下するのです。

 もし、骨量低下や脂質異常症などの診断を受けたなら、期間限定でHRTを行うのもあり。HRTを行う場合、少なくとも1年に1回、乳がんを含む婦人科検診を受ければ、早期発見を期待できます。さらに、子宮を摘出した方が行うエストロゲンのみの治療では、上記のリスクは該当せず乳がんを減らすという報告もあります。

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小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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